季節の言葉

2013.10.04

甘露【かんろ】 文・山下景子

 不老不死の霊薬(れいやく)があるとすれば、それはどんな味がするでしょう。
 昔の人が想像したのは、甘い味だったようです。その霊薬を、甘い露、つまり「甘露」と呼びました。最初は、お酒のことをいったのかもしれません。百薬の長とも呼ばれますものね。
 次第に、食べ物がおいしい時にも、「甘露、甘露」というようになりました。おいしいと思って食べれば、寿命が延びる......。これも納得できますね。

*季刊SORA2013秋号掲載

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