2013.04.24
萌野【もえの】 文・山下景子
「萌野ゆき紫野ゆく行人(かうじん) 霰(あられ)ふるなりきさらぎの春」 与謝野晶子
「萌野」は、草が芽吹き始めた野原のこと。やがてその芽ものびて、「若草野」と呼ばれるようになるのでしょう。 土筆(つくし)がいっぱい生えている野原は「土筆野」。蕨(わらび)なら「蕨野」。ほかにも、「春野」や「弥生野(やよいの)」など、耳にするだけで、明るい色彩と、やわらかな風が感じられます。
*季刊SORA2013春号掲載