季節の言葉

2012.02.13

水の衣【みずのころも】 文・山下景子 

 昔の人は、氷のことを、「水の衣」と表現しました。なるほど、寒いので、水も衣を一枚まとったのですね。
「氷の衣」という言葉もあります。寒さが厳しい日は、水に限らず、さまざまなものが氷の衣を着るようになりますね。
 ところで、平安の歌人は、月の光に照らされた衣のことも、季節に関係なく、「氷の衣」と呼びました。氷のように白く光って見えたからです。
「夏の夜の空さえわたる月かげに氷の衣きぬ人ぞなき」源仲正

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