2012.02.06
氷魚【ひお】 文・山下景子
「鮎」の稚魚は、ある程度の大きさになるまでは、透きとおっています。そこで、「氷魚」と呼ばれました。 旧暦十月から、暦の上では、冬。宮中では、「孟冬の旬」という行事が行われ、家臣へ「氷魚」を贈るのが、恒例だったそうです。まさしく、「旬」の魚だということですね。 きらきらと、氷のような輝きを放つ氷魚......。まるで、これからやってくる冬にも、たくさんのきらめきがあることを告げる使者のようです。