2011.12.05
虫の声【むしのこえ】 文・山下景子
古くは、聞き手を意識して出すのが「こえ」、抑えきれずに出てしまうのが「ね」、感情移入のないのが「おと」というふうに区別していたそうです。虫の場合は、「こえ」や「ね」を使いますね。そういえば、日本人は、虫の鳴き声を左脳でも聞く民族だとか。左脳は、言語中枢のあるところ。きっと、物音や雑音として聞くのではなく、言葉として感じているのでしょう。 「生きもののなげきを虫も鳴きつげる」 木下夕爾