季節の言葉

2012.12.04

三つの花【みつのはな】 文・山下景子

 草に霜がおりた時の美しさは、やはり花にたとえられました。「霜の花」「霜花(そうか)」、そして「三つの花」......。この「三つの花」は、六角形の結晶を結ぶ雪を「六(む)つの花」と呼ぶのに対してつけられた名前です。とはいえ、霜の結晶が三角というわけではなく、針状、柱状などさまざまな形になるとか。霜も雪と同じように空から降ると思われていたようですから、うっすらと積もったように見える霜は、つつましやかな花に見えたのでしょう。

*季刊SORA2012冬号掲載

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