2011.12.19
綴れ刺せ【つづれさせ】 文・山下景子
「蟋蟀」の異名です。地方によって多少の違いはありますが、蟋蟀の鳴き声を、「裾刺せ、肩刺せ、綴れ刺せ」と聞きなしたことからきています。「綴れ」は「繕いなさいよ」、「刺せ」は「縫いなさいよ」という意味。蟋蟀の声が、冬支度の針仕事をする合図だったのでしょう。 「今よりはつぎて夜よざ寒むになりぬらしつづれさせてふ虫の声する」 良寛