2011.11.14
虫聞き【むしきき】 文・山下景子
春に花見をするように、昔の人は、秋には「虫聞き」もしたそうです。夕暮れ時に、虫の声に耳を傾けながら、野山に集ったり、散策したり......。なんとも優雅ですね。 「わがために来る秋にしもあらなくに 虫の音聞けばまづぞかなしき」 よみ人しらず『古今和歌集』 次第に、寂しさがまさっていく秋。虫たちは、そんな季節を共感し合える心の友でもあったのでしょう。