季節の言葉

2011.05.02

桜颪【さくらおろし】 文・山下景子

「散ればこそいとど桜はめでたけれ
うき世になにか久しかるべき」よみ人しらず『伊勢物語』
 桜ほど、散る姿を愛でられてきた花も少ないでしょう。桜の花が散る様子を形容する言葉もたくさんあります。「花吹雪」「桜吹雪」「飛花」「落花」、そして「桜颪」。「颪」は国字で、山から吹き下ろす強い風のことです。どれも、あえて「散る」とはいわないところに、それぞれの思い入れがあるのかもしれません。

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